基本的な考え方
持続的な企業価値向上を図るため、収益性、資産効率、財務レバレッジを総合的に表すROE(自己資本利益率)を経営指標の一つとして掲げ、資本効率の向上を重視する経営を加速させてまいります。当社のグローバル水準の株主資本コストは8%程度でございますが、これを上回る ROEを経営目標とし、エクイティ・スプレッド(ROE -株主資本コスト)の拡大に向けて取り組んでまいります。
財務マネジメント
バランスシート(2024年3月末現在)
安全性
営業利益率やROE、ROICといった指標の向上に注力することに加え、財務の健全性維持の観点からD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)などの指標を重視しております。当指標は健全な水準を維持しており、設備投資や戦略的投資などの成長投資を機動的に実行できる財務基盤を確保しております。今後も財務の健全性と成長投資のバランスを取りながら、持続的な成長と企業価値の向上を追求してまいります。
戦略的投資に向けた考え方
資産・資本効率の観点から効率的な事業運営を進めてまいります。当年度は2030年を見据えた上で、中長期投資やリソーセス配分についての方向性を定めました。リソーセス配分として、設備投資については既存事業への投資を45%低減し、C/N含む戦略的投資・新事業投資を創出してまいります。開発人員については、リスキリング・ローテーションを推進し、新規事業へシフトを図ってまいります。
キャッシュフロー・キャッシュアロケーション
財務の健全性を考慮した上で、営業活動などから創出されるキャッシュフローを設備投資や中長期的な企業価値の向上に資する戦略的投資、株主還元を中心に活用してまいります。営業活動によるキャッシュフローの創出、非事業資産の売却や銀行借入などの資金調達により400億円以上のキャッシュインを計画しています。
キャッシュアロケーションとしては、戦略的投資としてキャッシュインの40%程を割り当てる計画です。個々の投資案件の検討に際しては、戦略的意義やリスクと対策を審議するとともに、将来キャッシュフロー計画や投資利回りなどを検証し、財務の健全性も考慮したうえで慎重に実施してまいります。
中長期計画
資本効率を意識した株主還元
配当は、「配当性向」や「株主資本配当率」などの基準を設け、長期安定的な配当を継続することに加え、財務の健全性や資本コストの最適化に鑑み、業績に見合った弾力的な配当を実施することで株主還元の拡大を目指していきます。また、自己株式取得については、事業計画に基づく資本構成、資本市場での評価等を総合的に勘案し、財務の健全性維持、成長事業投資を確保しつつ機動的に実施してまいります。
企業価値向上に向けた活動
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、株主・機関投資家をはじめとするステークホルダーの皆様と建設的な対話を行っております。当年度は、当社の中長期的な展望を説明するため「事業戦略説明会」を開催しました。対話で得られたフィードバックを共有し、企業価値向上の実現に向けて取り組んでまいります。
主な取り組み実績
- 人とくるまのテクノロジー展2024(5月)
- 事業戦略説明会(5月)
- 株主総会(6月)
- 機関投資家、証券アナリストとの個別面談(随時)